理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2010年4月19日 (月)
ストレッチをして嚥下機能を高めよう!~自主トレ編~
前回、介護者が行える嚥下訓練を紹介しましたが、今回は、一人で行える嚥下訓練(ストレッチ)を紹介します。
頚部ストレッチ
目的:頚部が固かったり動きにくくなっていると、飲み込んだり食べやすい姿勢をとることが難しくなります。首のストレッチ体操を日課として行うことで、姿勢が良くなり、食事も容易になってきます。
- ポイント:上体はできるだけまっすぐ保つようにして行って下さい
- 注意事項: →詳しくは前回を参照して下さい
方法:
(1)頚部前後屈:少し上を向き、その後あごを胸につけるようにしっかり下を向いて下さい。
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(2)頚部側屈:耳を肩につけるようにします。肩が上がらないように注意して下さい。
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(3)頚部回旋:できるだけ後ろを向くようにします。反対側も同じように行って下さい。
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口唇のマッサージ
目的:口唇の開閉には口周囲や頬にある筋の運動が関与しています。口唇をマッサージすることで、口腔周囲筋のリラクゼーションや口腔内の知覚が賦活化され、口唇や頬の可動性を高めます。
対象者:口唇をうまく閉じられないために、よだれがみられる方
会話中に口唇の偏位や口角の下垂が顕著な方
注意事項:マッサージにより皮膚が赤くなりすぎないように強さを加減して下さい。唾液によって手指が口唇や頬をうまくつかめないこともあるので、薄手の手ぬぐいやガーゼを使用し、すべらないように把持して下さい。
方法:
(1)人差し指と親指を使って唇を伸ばします。口唇をつまみあげる感じで、真ん中、左右の三ヶ所に分けて行って下さい。
(2)上・下唇それぞれ行って下さい。
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ティッシュ吹き
目的:口唇筋の筋力強化
摂食時のむせが生じたとき、落ち着かせる効果(むせたときに口すぼめ呼吸を行うと治まりやすい)
対象:口唇閉鎖が不十分な方
方法:
(1)こぶし1個分の距離にティッシュをかざして下さい。
(2)鼻から深く息を吸い、口をすぼめて吐きます。「フー」の音を作るように2~3秒続るようにして下さい。
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《文献》
1)摂食機能療法マニュアル,2002,医歯薬出版株式会社
2)http://www5d.biglobe.ne.jp/~taberu/enge-kansetu.html